建設業法の許可等の歴史と時代背景(その2の2)

query_builder 2020/05/21
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やすか行政書士事務所

 押忍。行政書士の菅 倫明です。神奈川県で行政書士をしています。 建設業法許可 の歴史と時代背景のその2の続きを書かさせていただきます。



昭和46年(1971)の業法大改正

 その2で書きましたが、昭和46年当時、建設投資の増大と建設業の重要性は高まったものの、不良不適格業者の存在もおおきく
施工能力、資力、信用に問題のある建設業者の輩出、粗雑粗漏工事や各種の労働災害は増え、公衆災害等の発生、公正な競争の阻害、業者倒産などが発生していました。
また、それと同時に、科学技術の進歩による技術革新もあって、建設労働力が不足し、経済の国際化に伴う資本の自由化等の環境変化に対応する建設業の近代化、合理化の必要に迫られてしまいます。

そこで、業種別許可制度の採用 、下請人の保護育成を新たに創設し、建設工事の施工の改善を図るために特定建設業の許可制度の創設や
請負契約の適正化、不合理な取引関係の改善、国などの大口注文者が取引上の地位を利用して不当に低い請負代金を定めることの禁止等(請負契約書に記載すべき内容の充実)・下請負人の保護に関する規定もこれと同じくして新設することとなりました。



 この時の、国会の改正の提案の答弁を一部抜粋紹介します。

昭和 44 年 5 月 参議院本会議質疑(第 61 回国会) 「……今日、種々の圧力を加え、不当に低い価格で建設工事を請け負わせているのは、ほかならぬ建設大臣の監督下にある地方建設局であり、住宅公団であり、道路公団であります。大口の発注者として建設大臣が、まず公正な価格による積算を行い、請負契約の改善に努力すべきであります。現在建設工事量に占める公共工事の割 合は極めて高く、全建設工事量の 31,9%を占めております。そこで、公共工事に対する積算単価の是正なくして請負契約の適正化はあり得ないと思います。契約関係の片務性の最も著しい例は、……」 (質問者 田中 一君)



この質疑、提案を受けて、元々の建設業法(昭和 24 法律第 100 号) 第 1 条(目的)の「 この法律は、建設業を営む者の登録の実施、建設工事の請負契約の規正、
技術者の設置等により、建設工事の適正な施工を確保するとともに、建設業の健全な発達に資することを目的とする。」という文言を、大口の発注者の適正価格の請負工事の促進、そして、そのことによって、全ての発注者を保護するために、次の様に改正しました。

「この法律は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化 等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」(昭和 46 改正法)


しかし、これはまだ、発注者の先にある消費者、エンドユーザーは保護対象となっていなかったのでした(集合住宅の一括下請負全面禁止規定を除く)。

~その3(昭和62年改正)に続く~

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