建設業法から知る「建設業許可」(その5:欠格要件について)

query_builder 2020/06/09
建設業許可
homuken
行政書士すだです。
神奈川県で建設業許可の書類を作ります。

今日は欠格要件についてです。
許可要件が整う申請者でも、これに当てはまると許可を得ることができません。

※条文は【2020/5/31】時点のものです

建設業法の8条を読みましょう

8
1号は、いわゆる破産の手続が未了などで、復権を得ない人のことです。

2号は、行政庁がおこなう取消事由のなかでは重い「不正な手段で許可を得た」に該当して、その取り消された日から5年を経たない人のことです。

なお条文中には、各号の欠格要件についてのほかに「重要な記載について虚偽があり、もしくは重要な事実の記載が欠けているとき」も、許可をしないとしています。
ウソやすっとぼけるのは、よくないという。

8_2
3号はちょっと複雑ですが、とある日に取消処分をする旨の通知を受取ってから、その日が到来するまでに廃業届を出したならば、その届出をした日から5年を経たない人のことです。

4号も読みづらいですが、上記届出をしたとき、最後まで所属していた役員等や支配人のことです。
3号に該当する届出をした業者で平の取締役を最後までされてた人が、新しく許可を得る場合には、5年経たないと欠格要件に該当してしまいます。

8_3
5号は、許可権者や営業地の所轄の行政庁からの指示に従わず営業を停止された人のことです。

6号は、上記停止を受けたときに同時に受ける、新しく営業することを禁止された人のことです。
この新しい営業は、同じ目的で営業する他法人の役員に就任することも含まれています。

7号は、法を問わず禁錮刑になってから5年を経たない人のことです。

8_4
8号と9号は、読んだままです……(´;ω;`)
記載の各法令に違反などして、記載の刑罰をうけてる人や、その執行が終わってから5年経たない人のことです。

10号は、実は新しいものです。
以前1号に「被後見人又は被保佐人」という文言がありました。
平成28年に「成年後見制度の利用の促進に関する法律」ができたとき、欠格要件が原因で成年後見制度が利用されないなどの指摘がされました。

その結果、様々な法律で、欠格要件を見直す動きがありました。
その中で建設業法は、1号の「被後見人又は被保佐人」がなくなって、代わりに「心身の故障~」という記載に変わったのでした。

8_5
11号は、許可をうけようとする者が未成年者のときに、欠格要件に該当する法定代理人かどうかです。

12号と13号は、役員等などが欠格要件に該当するかどうかです。
カッコ内の記載が長いですが、各号の内容は12号と13号の内容と重複しているため避けるためだけと思われます。

14号は、いわゆる役員等でない立場でも、株保有率などによって実質的支配者となる人が、暴力団員のときです。

欠格要件に該当しないことを証明するには……


たくさん欠格要件がありましたが、用意する書類は
「誓約書」「登記されていないことの証明書」「身分証明書」です。

後ろ二つは、法務局と本籍地の市町村役場での取り寄せになるものですね。

神奈川県については、先述の事情で文言がないものの「登記されていないことの証明書」でなければ、なんと「医師の診断書」を用意しなければなりません。
医師の診断書は、コストも時間もクリニック次第です。なので、多くの先生は従来通り「登記されていないことの証明書」を取得しているはずです。

なお、大半は業法に関わる処分についてでもあり、虚偽の申告は直ちにばれます。
事情をしっかり伺い、許可への道筋を立てるお手伝いができるよう努めたいです。

NEW

  • 建設業法から知る「建設業許可」(その8:廃業届ほか)

    query_builder 2020/06/30
  • 建設業法から知る「建設業許可」(その7:変更届の届出時期など)

    query_builder 2020/06/22
  • 建設業法から知る「建設業許可」(その6:許可換えと手数料)

    query_builder 2020/06/15
  • 建設業法の許可等の歴史と時代背景(その5)

    query_builder 2020/06/10
  • 建設業法から知る「建設業許可」(その5:欠格要件について)

    query_builder 2020/06/09

CATEGORY

ARCHIVE